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大型クルーズ船寄港で青森港(青森市)が東北で群を抜いた存在感を示している。
今年は21回と、2位秋田(10回)、3位仙台(9回)を引き離す。市中心部に港があることに加え、八甲田山や十和田湖など青森県内の観光地が呼び水になっている。ただ、クルーズ船誘致が全国で過熱する中、一層の増加に向けては課題も多い。
青森県観光交流推進課は「急増する中国からのクルーズは西日本の日本海側が有利。青森は国内クルーズに加え、欧米への誘致に力点を置くべきだ」と戦略を練る。
今年最後の寄港船となった「にっぽん丸」(2万2000トン、乗客定員530人)が10月27日、青森港の新中央埠頭(ふとう)に接岸し歓迎式典があった。クルーズ船は商店街へ徒歩圏の同埠頭と、JR青森駅から西に約3キロ離れた沖館埠頭のどちらかに朝方に接岸する。乗客はツアーバスで近隣の観光地を訪れ、夜には次の寄港地に向かう日程が多い。
東北地方整備局がまとめた2010年以降の東北への寄港回数はグラフの通り。市によると15年は全国13位、クルーズ船で訪れた観光客は約2万7500人で外国人は約1万1000人だった。
飛鳥Ⅱ(5万トン、870人)を運航する郵船クルーズ(横浜市)は「エリアにねぶたなど有名な祭りや観光地が多い」と評価。今年7回寄港したダイヤモンド・プリンセス(11万6000トン、2700人)を運航するカーニバル・ジャパン(東京)は「街中に港があることも利点」と話す。
新中央埠頭は、より大きなクルーズ船も停泊できるよう17年度に岸壁を延長するなど整備も進む。ただ、右肩上がりだった寄港回数は13年以降、頭打ち状態。17年も20回程度と同水準になる見通しだ。
青森市交流推進課の大久保文人課長は「全国で誘致に注力したことでライバルが増え、これまで通りにはいかない。国内外の船会社に青森ならではの自然、文化を訴える」と説明する。
市中心部では大型ねぶたを展示する「ワ・ラッセ」が、乗客から一定の人気を集める半面、空洞化が進む商店街はせっかくのクルーズ船寄港を売り上げに結び付けているとは言い難い。
青森地域社会研究所の野里和広主任研究員は「英語対応や免税店整備など海峡を挟んだ北海道の函館に比べて不十分。やるべきことは多い」と指摘する。
国内のクルーズ船寄港は西高東低が鮮明だ。年間約400回の博多港(福岡市)を筆頭に上位には九州、沖縄の港が並ぶ。
出典:河北新報
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