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「みちのく潮風トレイル」青森県八戸市~福島県相馬市を結び、700キロを超える遊歩道。
三陸沿岸の豊かな自然や震災被災地をたどる観光資源の一つとして期待されている。
現在の開通区間は計約400キロで、八戸市ルート(青森)や岩泉町南部~宮古市北部ルート(岩手)、相馬市ルート(福島)など3県で計13ルートがモデルコース。
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■鮎川浜-女川駅間40キロをむすぶ。
青森から福島県までの太平洋沿岸を結ぶ
環境省が開通を目指している遊歩道「みちのく潮風トレイル」。津波で流された歩道の改修作業などで整備が遅れ、本県のみが手つかずだったが、今春にも牡鹿半島・鮎川浜と女川との間で開通する見通しとなった。県内外から人を呼び込み、東日本大震災の復興を後押しするプロジェクトの一つとして、同省東北地方環境事務所は「沿道の自然と被災地の復興の進展ぶりを多くの人に見てもらいたい」と強調する。
今回開通する区間は、牡鹿半島と女川駅とを結ぶ約40キロの道のり。
離島の金華山や網地島などにもルートを設定しており、海と山が接するリアス式海岸を楽しめるのが魅力だ。
女川町は教育委員会と連携し、子どもも歩行できるかどうかを確認。
石巻市の一般社団法人「おしかリンク」は、利用者が道に迷わないようにするための沿道の点検や道作りを進めている。
トレイルは、2013年11月に青森県八戸市~岩手県久慈市、福島県も14年10月に新地町福田~相馬市松川浦の区間で開通している。
宮城県内の整備がずれ込んでいる理由
震災の津波で被災した沿道自治体の多くで、活用する歩道の改修や地域住民の意見集約などが遅れているためだ。
気仙沼市でも、沿岸部のかさ上げ工事が行われた影響
トレイルに組み込むルートを定められないケースがあった。また、震災以外にも、気仙沼市と南三陸町の境界線上にあるルートを巡り、両市町の当初計画が食い違い、調整に時間を要するといった事情もあるという。環境省は、18年度中の全線開通を目指している。
南三陸町で今月1日に開かれたフォーラム
観光業者や自然体験ツアーガイドなどがトレイルをテーマに意見交換。すでに開通した岩手県宮古市の津波の爪痕が残る沿岸部や震災遺構周辺などを歩いた紀行作家のシェルパ斉藤さんは「被災地を知らない人が見たいと思えるルートだ」と語り、被災地の痕跡にふれる旅行としての可能性を示した。