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「第6回:青森・弘前市を舞台にした“ちょっぴり不思議な”日常系アニメ「ふらいんぐうぃっち」を見よう!
アニメ携わっている方々のコンセプトやストーリーの展開などは舞台に溶け込むような自然体で描かれているいるようにおもいます。アニメとはいえ弘前の風景をみるだけでリアルな光景を思い出させてくれる描写も柔らかくていいと思います。風景を楽しむことができて心地よい気分に浸れます。
さて,第6回となる今回のタイトルは「ふらいんぐうぃっち」。原作は石塚千尋氏の同名コミックで,青森県弘前市を舞台にした“ちょっぴり不思議な”日常系アニメだ。制作はJ.C.STAFFが担当,監督は「とある科学の超電磁砲S」や「ウィッチクラフトワークス」などの演出を手がけたベテランの桜美かつし氏が務めている。
「ふらいんぐうぃっち」
“魔女”という単語からファンタジー色の濃い作品を想像しがちだが,本作には派手な攻撃魔法やドラゴンなどは出てこない。というのも,主人公の真琴はまだまだ未熟な魔女で,箒に乗って空を飛ぶ以外,これといった魔法が使えないから。
そんな彼女の修行はというと,畑で野菜を育成したり,野草で天ぷらを作ったりと非常にのんびりしたもの。「あれ?修行してなくない??」と思うだろうが,そこがこの作品の本質ともいえる部分で,作品中でメインとなるのは,普通の女子高校生の田舎ライフなのだ。
弘前市の景色に見とれる真琴
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幼馴染みの圭は真琴のよき理解者
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そんな真琴の元に,少しだけ不思議な要素を持った来訪者が現れる。見た目は変な仮面をつけた怪しい男だが,実は冬を送って春を運んでくれる「春の運び屋」や,夜を連れてくることを生業としている「夜の帳」など,現実ではありえないキャラクター達だ。彼らが登場することで,この物語がただの日常系アニメではないと,気づかせてくれる。
そのほかにも,瞬間移動ができる優秀な魔女で真琴の姉・茜,その姉の友人の犬養といった個性的なキャラクター達が登場するが,彼らに共通するのは「良い人」であること。彼らと真琴のやり取りが,視聴者にフワッとした心地よさを与えてくれる。話題性が高いとは言えなかった本作だが,春アニメの中ではかなりの高評価を得ていた理由はこのあたりにありそうだ。
自由気ままな茜。普段は瞬間移動で世界各地を放浪するか,倉本家で寝転がっている
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怪しい「春の運び屋」を警戒する千夏。この見た目では仕方ないかも |
犬養は誤って獣人化の薬を飲んでしまったせいで昼間はこの姿
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細かい演出で田舎生活のスローテンポを表現
この不思議な心地よさは,じつは細かい演出によるところが大きい。私達が普段目にしている生活のワンシーンをアニメにしようとすると,どうしても枚数を消費してしまい結構な手間がかかるのだが,本作では,そこをあえてカットせずに使用。リアリティと同時に,田舎の生活のスローテンポを視聴者に伝えてくれる。本作を見る機会があったら,真琴や千夏の家の中の動作に注目してほしい。戸の開け閉め,立ち上がる挙動など,自分が普段やっている何気ない動作を,アニメの人物が行っていることに驚かされるはずだ。このあたりの演出の妙は,さすがベテランの演出家・桜美氏だ。
何気ないシーンにも演出の妙が光る。とくに千夏の動作は可愛らしい |
弘前市の風景を忠実に再現した背景
さらに,独特の空気を持った本作を支えているのが,弘前市の風景を忠実に再現した背景美術だ。真琴の通学路や倉本家の周辺などはもちろん,喫茶店「コンクルシオ」など,実際にある建物が登場し,作品の説得力を上げる要因となっている(ちなみに,コンクルシオのモデルとなっているのは「藤田記念庭園洋館」)。
なかでも第4話「桜の中の占い師」に登場する「弘前さくらまつり」の会場となった弘前公園は,庭園の中だけでなく,シンボルとなる弘前城も見事に再現。弘前出身者の間でも賞賛の声が上がっていたとか。アニメのモデルとなった土地への聖地巡礼が当たり前のように行われている昨今,こうした現実の土地を題材とした作品は,今後も増えるだろう。
倉本家や神社など,ほとんどの家屋にモデルが存在する
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中毒性の高いオープニング
また,本作のオープニングは,ミュージシャンのmiwaさんが歌う「シャンランラン feat.96猫」で,作曲と作詞も彼女自身が手がけている。なんでも,小さな頃,魔女っ子アニメが大好きで,そのイメージでタイトルを「シャンランラン」という魔法の呪文みたいにしたのだとか。オープニングでは,真琴をはじめ主要なキャラクター達が曲に合わせて踊る,ちょっとコミカルなシーン挿入されている。このシーンが非常に中毒性が高く,つい「オープニングは見逃せない!」とテレビの前に陣取ってしまうわけだ。いい大人が……という気もするが,子供っぽさを失わないことも必要である。多分。
本作はいわゆる“日常系アニメ”に属する作品だが,そこに“ちょっぴりの不思議”をエッセンスとして加えてあるのが最大の特徴だ。大事件が起きたり,誰かが恋に落ちるといった分かりやすい展開などはないが,本作の持つ“のんびりとした空気感”をぜひ体感してみてほしい。使い古された言葉を借りれば“癒し系”アニメとして,オススメの作品である。
放映データ |
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2016年4月~2016年6月まで |
全12話 |
キャスト | |
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木幡真琴 CV:篠田みなみ | 倉本千夏 CV:鈴木絵理 |
倉本 圭 CV:菅原慎介 | 石渡なお CV:三上枝織 |
木幡茜 CV:葵井歌菜 | 犬養 CV:日野まり |
椎名杏子 CV:井口裕香 | チト CV:茅野愛衣 |
ケニー CV:佐倉綾音 | アル CV:小澤亜李 |
スタッフ |
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原作:石塚千尋(講談社「別冊少年マガジン」連載) |
監督:桜美かつし |
シリーズ構成:赤尾でこ |
キャラクターデザイン:安野将人 |
プロップデザイン:萩原弘光 |
美術監督:奥村泰浩(ムーンフラワー) |
色彩設計:安藤智美 |
撮影監督:大河内喜夫 |
音響監督:岩浪美和 |
音響効果:小山恭正 |
録音調整:星野賢爾 |
音楽:出羽良彰 |
OPテーマ:「シャンランラン feat.96猫」歌:miwa |
EDテーマ:「日常の魔法」 歌:木幡真琴(CV 篠田みなみ)&倉本千夏(CV 鈴木絵理) |
アニメーション制作:J.C.STAFF |
■Blu-ray&DVD発売情報
「ふらいんぐうぃっち」BD&DVD Vol.1
2016年6月22日(水)発売
価格BD:¥6800+税 DVD:¥5800+税
本編:46分(#1,2)
安野将人描き下ろしイラスト/原作者・石塚千尋描き下ろし1P漫画
■映像特典:ふらいんぐうぃっちぷち(#1,#2,特別編)/プロモーション映像集
■音声特典:オーディオコメンタリー(篠田みなみ×鈴木絵理×菅原慎介×三上枝織)
■封入特典:オリジナルドラマCD『やるぞ、たこぱー/新しい占いを考えまSHOW』ストーリーカード「ふらいんぐうぃっち」BD&DVD Vol.2
2016年7月20日(水)発売
価格BD:6800円+税 DVD:5800円+税
本編:46分(#3,4)
安野将人描き下ろしイラスト/原作者・石塚千尋描き下ろし1P漫画
■映像特典:舞台めぐり『うぉーきんぐ・うぃっち』その1(出演:篠田みなみ×三上枝織)ふらいんぐうぃっちぷち(#3,#4)ノンクレジットOP/ED
■封入特典:キャラクター設定資料集/ストーリーカード「ふらいんぐうぃっち」BD&DVD Vol.3
2016年8月24日(水)発売
価格BD:6800円+税 DVD:5800円+税
本編:46分(#5,6)
安野将人描き下ろしイラスト/原作者・石塚千尋描き下ろし1P漫画
■映像特典:舞台めぐり『うぉーきんぐ・うぃっち』その2(出演:篠田みなみ×三上枝織)ふらいんぐうぃっちぷち(#5)
■封入特典:美術&プロップ設定資料集/ストーリーカード「ふらいんぐうぃっち」BD&DVD Vol.4
2016年9月21日(水)発売
価格BD:6800円+税 DVD:5800円+税
本編:46分(#7,8)
安野将人描き下ろしイラスト/原作者・石塚千尋描き下ろし1P漫画
■映像特典:舞台めぐり『さーちんぐ・うぃっち』その1(出演:篠田みなみ×鈴木絵理×三上枝織)ふらいんぐうぃっちぷち(#6)
■封入特典:衣装設定資料集/ストーリーカード「ふらいんぐうぃっち」BD&DVD Vol.5
2016年10月19日(水)発売
価格BD:6800円+税 DVD:5800円+税
本編:46分(#9,10)
安野将人描き下ろしイラスト/原作者・石塚千尋描き下ろし1P漫画
■映像特典:舞台めぐり『さーちんぐ・うぃっち』その2(出演:篠田みなみ×鈴木絵理×三上枝織)ふらいんぐうぃっちぷち(#7)
■封入特典:インタビュー集/ストーリーカード「ふらいんぐうぃっち」BD&DVDVol.6
2016年11月23日(水)発売
価格BD:6800円+税 DVD:5800円+税
本編:46分(#11,12)
安野将人描き下ろしイラスト/原作者・石塚千尋描き下ろし1P漫画
■映像特典:ふらいんぐうぃっちぷち(#8、告知編)
■音声特典:オーディオコメンタリー
■封入特典:ストーリーカード
※仕様は予告なく変更となる場合がございます。
(C)石塚千尋・講談社/「ふらいんぐうぃっち」製作委員
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