青森・十和田:江戸末期の「幻のトンネル」150年ぶり復活!

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青森県・十和田市の新しい歴史文化遺産「幻の穴堰(あなぜき)」一般公開!(10月10日~)

江戸時代の「三本木原開拓」の用水路工事の途中、未完に終わった「幻の穴堰(あなぜき)」と呼ばれるトンネルが、150年ぶりに復活した。10日から一般公開される。復活に尽力した関係者は、「青森県十和田市の新しい歴史文化遺産として後世に伝えていきたい」と話している。


見学は予約制で、申し込みは10日から。問い合わせは「幻の穴堰管理事務所」(電話0176ー26ー2755)。大人500円(十和田市民300円)、小学生200円。

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三本木原は十和田市を中心とする火山灰土壌の台地で、かつては水利の悪い不毛地帯だったが、江戸末期に盛岡藩士の新渡戸傳(つとう)が開拓に着手。人工河川の稲生川の完成後、新渡戸の長男・十次郎が2本目の用水路を計画し、1866(慶応2)年に現在の十和田市三本木倉手の鞍出山中腹で掘削に着手した。稲生川の取水量不足への対応が目的だったが、翌年に十次郎が急死したため、約950メートルを掘った段階で中断。その後は放置されていた。

「幻の穴堰」横穴の入り口はコンクリートで固めている=青森県十和田市で塚本弘毅撮影▼

「三本木原開拓」の用水路工事で未完

江戸時代の「三本木原開拓」の用水路工事の途中、未完に終わった「幻の穴堰(あなぜき)」と呼ばれるトンネルが、150年ぶりに復活した。10日から一般公開される。復活に尽力した関係者は、「青森県十和田市の新しい歴史文化遺産として後世に伝えていきたい」と話している。

公開される見学コースの全長は294メートル。入り口は安全のためコンクリートで補強し、坑道の一部には地下排水溝を埋めた。中は真っ暗で懐中電灯をつけて入る。坑道は高さ1.7メートル、横幅は1.6メートルほど。今も工具の「てんばづる」などで掘削した跡が原形をとどめて残っており、当時の土木技術の高さを体感できる。

 地権者で「ミカヒ農林」社長の中野英喜さん(78)、十和田歴史文化研究会理事長の小笠原カオルさん(74)、前十和田市文化財保護協会会長の山崎栄作さん(72)らが保存・活用に尽力。6月から管理棟を含め整備を始めた。「ここには三本木開拓の実際の現物がある」と小笠原さん。中野さんも「新渡戸の熱意と技術を目視でき体感できる唯一の場所だ」と意義を語る。

出典:毎日新聞


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