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青森県における「ふじ」の生産量は全体の50%を占めているが、青森県では近年、黄色いリンゴがじわじわと増加中である。
赤と黄色のリンゴの事情
リンゴと聞くと、赤い果実を想像する人は多いだろう。実際、青森県における「ふじ」の生産量は全体の50%を占めており、東京の店頭でよく目にするのも赤い品種だ。だが、青森県では近年、黄色いリンゴがじわじわと増加中。なかでも「トキ」と呼ばれる品種が人気だという。そこで記者はリンゴ生産量日本一を誇る青森県に足を運び、その味を確かめてみることにした。すると、黄色い品種が増加している背景には、知られざるリンゴ農家の苦労も隠されていたのだ。
★ トキ
「トキ」をはじめとした黄色い品種の生産量が増えている理由は、味だけではない。リンゴ農家からすると、栽培する上で手間のかかる作業を省略できるメリットがあるという。私たち消費者の手に届く赤いリンゴは、どの面を見てもまんべんなくきれいに色付いている。自然に赤く色付くものと思いがちだが、実際は人の手が欠かせない。
青森県産業技術センター りんご研究所にある、りんご資料館。この建物は、英国のイーストモーリング研究所の建築様式を参考にしている
リンゴは太陽の光が当たった部分だけ赤くなる。そのため、日影になる葉を2、3回に分けて摘み取る作業「葉摘み」や、果実を回転させて反対側にも色を付ける作業「玉まわし」が発生する。一見簡単そうに思えるが、「葉つみ」は極端に葉を摘みすぎたり、早い時期に摘んでしまったりすると、甘くならない。また、「玉まわし」は下手な人が行うと、果実を回しすぎて落としてしまうこともあるそうだ。
黄色い品種は色が入りやすいため、これらの作業を行う必要がない。高齢化が進み、人手が不足している農家にとって、黄色いリンゴは栽培しやすいのだという。
青森のリンゴ産業を支える存在になりつつある、黄色いリンゴ。これまでは「リンゴ=赤」というイメージが強かったが、黄色が定番化する日も、そう遠くはないかもしれない。
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