惜しまれる「青森生鮮食品センター」64年の歴史に幕を下ろす。

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さよなら「青食センター青森の食支え64年」厚い人情惜む

入居店舗はほとんどが廃業見通し2018年5月末日まで

青森市古川地区の一角にあり鮮魚店や青果店などが立ち並ぶ「青森生鮮食品センター」が今月末、64年の歴史に幕を下ろす。地権者が土地を売却し、建物が取り壊されることが決まったためだ。

入居店舗のほとんどが廃業するという。愛称「青食(あおしょく)センター」の閉店の知らせに、常連客らから惜しむ声が相次いでいる。

5月末で閉鎖される青食センター

60年近く営業を続ける浜名商店

青食センターの前身となる古川大衆魚菜市場=1954年(青森生鮮食品センター提供)

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同センターは1954年に開設された古川大衆魚菜市場が前身で、69年に名称を変更した。古川地区は、戦後に出現した闇市が50年代に衰退し商店街や市場に変わっていった地域。JR青森駅近隣で国道7号沿いということもあり「古川の市場は品物が良い」「バス賃をかけても」という買い物客でにぎわった。

センター最盛期の70~80年代は鮮魚店を中心に100店舗近くが営業。名物「のっけ丼」で知られる青森魚菜センター(営業中)と隣接し、共ににぎわいを見せた。

しかし、平成に入るとスーパーマーケットの台頭で徐々に客足が減少。後継者不足もあり、現在営業する11店舗の店主らのほとんどが75歳以上の高齢者だ。

青食センターで鮮魚店「浜名商店」を営む浜名きそさん(79)は、昨年83歳で亡くなった夫の進さんと共に、59年に営業を始めた。同センターで一番の古株だ。今も1人で店に立ち、毎日10~15種類の鮮魚と煮付け用の切り身を販売する。

客の要望に合わせて煮付け用の切り身の下味を変えたり、常連が好みそうな魚が入ったときは連絡を入れたりするという。「どのお客さんがどんな味付けが好きなのか覚えている」と浜名さん。客を第一に考え60年にわたり店を営んできた。

来店した客との何げない会話も大切な思い出だ。浜名さんは「お客との会話ができなくなるのは少し寂しい」と語る。同センターの閉鎖を悲しみつつも、高齢の浜名さんにとって一つの良い区切りになった。

慣れ親しんだ店が無くなることを悲しむ常連客は多い。30代の頃から通う横山悦子さん(89)は「ここに来ればおいしい食材が手に入る。無くなるのは残念」と肩を落とす。「これからはどこで買い物をすればいいのだろうか」と話した。

出典:河北新報

時代をつくってきた。新たな時代は継承が困難。時代が時代を壊し、全く新しい時代へと必然的に激変していくデジタル社会は加速度的にスピードを増してきている。と認識せざる負えない。ただし人の人情は取り残されても代々うけつがれて続いてほしい。

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