硫黄のにおいが立ち込める荒涼とした岩場と、宇曽利山湖の澄んだ水面や白砂が、境内に神秘的な雰囲気を漂わせている。参拝客は、納骨塔や慈覚大師堂、賽(さい)の河原、「極楽浜」と呼ばれる宇曽利山湖のほとりなどをゆっくりと巡った。東日本大震災の犠牲者を悼み設けられた震災慰霊塔では、「鎮魂の鐘」「希望の鐘」の音が鳴り響いていた。

開山初日の1日、朝早くから大勢の参拝客が訪れた。硫黄臭が立ちこめる岩肌一帯の「地獄」から宇曽利湖を取り巻く白浜の「極楽浜」へと続く参道の途中では、地蔵や東日本大震災の慰霊塔の前で手を合わせ、故人をしのぶ人たちの姿も多く見られた。

恐山は約1200年前に慈覚大師が開山したと伝えられる。