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青森県庁が経済を回す取り組み本格スタート!
青森県は、7月30日、県庁内の概ね40歳までの若手職員17名で構成される「青森県庁インバウンドおもてなし隊(以下、おもてなし隊)」を設置し、活動をスタートすることを発表しました。
現在、県では、外国人観光客が急増中です。県を訪れる外国人観光客を温かい「おもてなしの心」で迎えることで、また青森県へ足を運んでもらいたい考えです。
クルーズ船外国人観光客への青森の魅力のPRをふくめて青森県全地域に観光ツアーがひろがりをみせるようになれば理想的ですね、また近年、海外からの民泊観光客もこれからもっと増加することが期待されております。これらは青森の経済発展にはかかせないインバウンドの一つです。これからも「おもてなしの心で」青森県の観光資源を世界にむけて一つでも多く青森県民で発信していきましょう。現在、青森県は観光地として海外から注目を浴びています。ドリームインバウンド!
インバウンド とは
2016年、ついに日本のインバウンドは訪日外客数2,000万人を突破し2,400万人にまで及びました。2014年の春節(旧正月)頃に訪日中国人観光客による「爆買い」現象が注目されて以来、テレビのニュースなどでも 「訪日外国人」「外国人観光客」「インバウンド」「インバウンド需要」「観光立国」 などのキーワードが頻出するようになりました。
東京オリンピックの2020年に向けて インバウンド は更に注目を集めていくでしょう。 さて、その「インバウンド」の意味するところは、 訪日外国人旅行全般のこと であり、現在ではこの意味でのインバウンドが使われることが多くなってきています。
このページでは、この「訪日外国人旅行全般」の意味での「インバウンド」について、 そもそもインバウンドとは何なのか、なぜインバウンドが注目を集めているのか について解説します。
そもそも「インバウンド」とは
そもそもインバウンド(inbound)とは「入ってくる、内向きの」という意味の英語の形容詞です。訪日外国人観光客がビジネスとして注目を集めるにつれ、もとの意味から転じ、日本から見た時に外から内に入ってくる旅行、つまり「訪日外国人旅行全般」という意味での「インバウンド」が急速に普及しました。
もう一つの意味のインバウンド:マーケティング手法としてのインバウンド
訪日外国人観光客の意味でのインバウンドが使われ始めるまでは、マーケティング用語としての「インバウンドマーケティング」の意味でインバウンドが使われるのが一般的でした。 マーケティング用語としての「インバウンドマーケティング」は、ブログや動画、SNSなどを駆使して、見込み顧客に自社のコンテンツを見つけてもらい、自然に自社の商品やサービスに興味を持ってもらうように仕掛けるマーケティング手法です。近年になってTwitterなどで企業の公式アカウントが流行しているのも一種のインバウンドマーケティングといえるでしょう。 しかしながら、現在では単純に「インバウンド」と言った場合には、前述の通り、「訪日外国人旅行全般」の意味でのインバウンドのほうが一般的になってきています。
インバウンドの対義語「アウトバウンド」とは
アウトバウンド(outbound)は、インバウンドと同様に形容詞であるものの、意味は正反対で「出ていく、外向きの」を意味します。よって、観光業界用語としての「アウトバウンド」は、 外国人の訪日旅行を意味するインバウンド とは反対の意味、つまり 日本人の海外旅行 を意味します。
インバウンド関連用語
関連する用語としては、以下があります。
インバウンド消費
訪日外国人観光客による日本国内での消費活動を「インバウンド消費」という。前述の訪日外国人旅行を意味する「インバウンド」(inbound)と「消費」を組み合わせて出来た用語。
インバウンド需要
訪日外国人観光客による旅行需要のことを「インバウンド需要」という。その需要によってインバウンド消費が喚起されるという意味で、前述の「インバウンド消費」とほぼ同義で使われる場合もある。
インバウンド市場
訪日外国人観光客によるインバウンド消費によって形成されるビジネス市場を「インバウンド市場」という。前述の「インバウンド需要」とほぼ同義で使われる場合もある。
インバウンド対策/インバウンド施策
前述の「インバウンド消費」や「インバウンド需要」を促したり、取り込んだりするために政府や企業がする施策全般を「インバウンド対策」ないし「インバウンド施策」という。例えば、WEBサイトの多言語化や、SNS運用などがインバウンド対策やインバウンド施策にあたる。
インバウンド対応
前述の「インバウンド対策」「インバウンド施策」とほぼ同義。強いて言えば、「インバウンド対策」「インバウンド施策」が訪日外国人観光客を集客するための打ち手に対して使われるのに対し、「インバウンド対応」は、実際に来た訪日外国人観光客に対する”おもてなし”について使われることが多い。
インバウンドマーケティング
訪日外国人旅行全般を意味する「インバウンド」と「マーケティング」を組み合わせた造語。自社に対するインバウンド消費が大きくなるように、市場調査やオペレーションの最適化、宣伝などの全過程にわたってインバウンド市場に対して行う企業活動の総称を「インバウンドマーケティング」という。
インバウンドに関する社会的な流れ
「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」と「グローバル観光戦略」
「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」が2002年に閣議決定され、それをうけて、国土交通省は2002年に「グローバル観光戦略」を策定しました。 この「グローバル観光戦略」は、以下の4戦略から構成されています。
1.外国人旅行者訪日促進戦略〜より多くの外国人の日本への来訪を促す戦略〜
市場調査によってインバウンドにおける重点市場、海外ニーズ、PR手法等を見極め、その結果に応じた日本のイメージの確立とニーズに応じた旅行商品を開発する。さらに海外におけるPRや情報提供により旅行商品の販売を促進するとともに、査証取得(ビザ取得)の負担の軽減し、インバウンド市場を増大させるために国際連携をする。
2.外国人旅行者受入れ戦略〜訪日外国人観光客すべてに満足感を与える戦略〜
インバウンド需要を受け入れるための環境を形成し(ウエルカム戦略)、国内外で適切な情報提供と訪日外国人観光客目線で交通機関の利便性を向上するとともに、国際競争力をもった魅力ある観光交流空間づくりをする。
3.観光産業高度化戦略〜本戦略の目標達成に向けて観光産業を高度化していく戦略〜
観光関連産業の意識転換を促進するため、新たなインバウンド事業の展開を図る事業者等に支援し、観光関連産業の連携を強化する。
4.推進戦略〜本戦略を多様な主体が連携しつつ効果的かつ着実に推進する戦略〜
上記の戦略の推進にあたって官民で連携し、円滑、強力に実施する。また、随時評価・再検討をしPDCAサイクルを回していく。 この中の「外国人旅行者訪日促進戦略」の一環としてビジット・ジャパン・キャンペーンが開始しました。
ビジット・ジャパン・キャンペーン:現在のインバウンド市場の形成に至るまでの重要な施策
2000年代前半頃からの日本文化の世界的なブームを受け、政府は「観光立国」を掲げ「訪日外国人観光客1000万人」を目標とするビジット・ジャパン・キャンペーンを策定しました。 「グローバル観光戦略」を受け継ぐ形で、国土交通大臣が本部長となり、関係省庁および民間団体・企業が参加する「ビジット・ジャパン・キャンペーン実施本部」が2003年4月1日に発足。観光ビザの要件緩和や海外諸国での訪日旅行の広報、国内におけるインバウンド向けインフラの整備などを推進しました。 この2000年代前半では、日本ではインバウンド/アウトバウンドに格差があり、インバウンド<アウトバウンド、つまり訪日外国人観光客よりも、日本人の海外旅行者数の方が多かったのです。 2003年度では、訪日外国人観光客数が524万人に対し、日本人の海外旅行者数が1,652万人と3倍の開きがあったため、この格差を是正するために、2010年までに年間1,000万人の訪日外客数までインバウンド市場を拡大することが目標とされました。
YOKOSO! JAPAN WEEKS
「YOKOSO! JAPAN WEEKS」は、ビジット・ジャパン・キャンペーンで催されるイベントの中で最も大規模なものです。「YOKOSO! JAPAN」はビジット・ジャパン・キャンペーンのスローガンで、YOKOSO! JAPAN WEEKSは2005年より毎年行われていました。 毎年1月後半から2月後半にかけての旧正月(春節)の期間、冬の日本の魅力などを広報し、東アジアからの訪日外国人観光客によるインバウンド需要の拡大を狙ったものです。訪日外国人環境客に対する優遇・割引を国内の協賛企業に対し斡旋し、中国語、韓国語を始めとした各国の言語に対応するパンフレットの作成をすることで訪日外国人観光客が観光しやすい環境作りを行っていきました。
金融危機、リーマン・ショック、そして東日本大震災のショック
日本のインバウンドは2009年、世界金融危機(2007年)やリーマン・ショック(2008年)による不況の煽りをうけ、679万人までインバウンド市場は大きく落ち込んでしまいます。さらに東日本大震災と福島第一原子力発電所事故(2011年)で更なる大打撃を受けました。 しかしながら、アベノミクスによる円安(2012年〜)が進んだことや格安航空会社(LCC)の就航拡大の影響によりインバウンド需要が喚起、2013年にはビジット・ジャパン・キャンペーンの目標であった年間1,000万人を超える年間1,036万人の訪日外客数を記録します。その後も2014年は1,341万人、2015年は記録を更新し1,973万7千人となり、45年ぶりに訪日外客数(インバウンド)が出国日本人数(アウトバウンド)を抜きました。 これにより、東日本大震災が発生した2011年には、1兆円を割りこんだインバウンド消費も拡大し、2012年には、1兆円台を回復、2014年には2兆227億円に到達、2015年にはなんと3兆4771億円まで拡大し、4年間でおよそ3.5倍のインバウンド消費拡大記録しました。
今後のインバウンド
昨年2015年の訪日外客数1,973万7千人の記録をうけ、政府は2020年までの目標だった2000万人を上方修正、年間3000万人を目指す方向で27年度内で調整を行っている模様です。 しかしながら、今までの急激なインバウンド需要拡大の要因は、円安やLCCの台頭、訪日中国人の爆買いブームなどの外的要因がその多くを占めていると考えられます。そのため、今後急激な円高が進んだ場合には、インバウンド市場拡大のスピードが落ちかねません。 しかしながら、この3年で日本を訪れた3300万人の訪日外国人観光客は、日本のインバウンドにとって大きな財産となりうります。なぜならば、彼らが日本の素晴らしさを知り、彼らの知人に日本の素晴らしさを広めてくれたりリピーターになってくれたりすれば、2015年の訪日外客数2000万人という数字が一過性のものではなくなっていきます。そのためにも、2020年の東京オリンピックに向けてしっかりとしたおもてなしのインバウンド対策が、今後重要度を増していくのです。
出典:訪日ラボ