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霊峰・岩木山を望み、一面、銀世界が広がる中、ひっそりとたたずむ庭園。どこか懐かしい景色が心を和ませてくれる。その名の通り、夢がいっぱい詰まった庭を初めて訪ねてみた。そこにある日本の原風景に、しばし時を忘れた。
霊峰・岩木山を望み、一面、銀世界が広がる中、ひっそりとたたずむ庭園。どこか懐かしい景色が心を和ませてくれる。その名の通り、夢がいっぱい詰まった庭を初めて訪ねてみた。
野菜畑1100坪を再利用
約40年前、荒谷政志さん(70)が親から譲り受けた約1100坪の野菜畑の再利用を思案していた。京都で10年間、庭師として働き、昭和45年の大阪万博でギリシャ館の石組みや日本庭園で木の植栽などを手掛けた経験を生かし、「庭園を通して昔懐かしい風景を再現しようと思った」。NPO法人(特定非営利活動法人)「つがる夢庭志仙会」を立ち上げ、誰でも楽しめる空間づくりのために本格的な庭造りに着手した。
農家レストラン(日曜日のみ)では、ヒバの串につぶしたコメを丸めて焼いた「ひばたんぽ」や、もち米、シソの葉、キャベツなどを使った津軽地方の伝統漬物「すしこ漬」といった郷土料理がコーヒー付きで500円で楽しめる。年間約800人が訪れるということで、レストランの収益金はすべて震災復興で福島県社会福祉協議会に寄付している。
荒谷さんが福島県にひとかたならぬ思いを抱いているのには理由がある。実は妻の出身地が同県棚倉町で、しかも庭園の横を流れている川の名前が「福島堰」なのだ。「何か福島県に縁を感じた。まだ復興途中だが、震災を忘れないという思いでこれからも寄り添っていく」と支援に決意を新たにしていた。
「庭師時代の京都でお茶、生け花を習い、おもてなしの心を学んだ」という4畳半の妙心庵の茶は裏千家で、未生流(みしょうりゅう)の生け花が添えられている。中に入ると、程良い広さが心を和ませてくれる。
農村景観を重視し、自然環境の保全・再生、地域の子供たちを集めた環境教育の場、春夏秋冬それぞれの季節の“顔”が楽しめる庭園を眺めながら荒谷さんは「自然、環境、食を通して県内外の人たちに田舎の原風景とぬくもり、日本人が忘れかけている古里の心を伝えたい」
NPO法人「つがる夢庭志仙会」 農村景観の維持発展、地域活性化事業、高齢者の福祉増進事業などを目的に平成16年12月設立認証。つがる夢庭のほか、エコツーリズム、グリーンツーリズム、農村景観ガイド、漬物ソムリエによる体験メニューなどの活動も行っている。
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