第95回目【全国高校サッカー】 決勝は「青森山田」と「前橋育英」が激突する!2017(1月9日)

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第95回目を迎えた全国高校サッカー選手権は1月7日に準決勝の2試合が行われ、青森山田(青森)と前橋育英(群馬)が決勝に進出した。

プロも注目する決勝戦となる。

高校サッカー「4強」を牽引した“あの逸材”決勝戦は青森山田と前橋育英が激突!

今大会はインターハイ王者の市立船橋(千葉)が2回戦で、前回王者の東福岡(福岡)が準々決勝で敗退するなど、戦前の注目度から考えれば波乱が多い大会と言える。

ただ、優勝候補の一角にあげられていた青森山田はもちろんのこと、ベスト4に勝ち上がったチームは組織としての完成度が高く、いいディフェンスからいいオフェンス、あるいはその逆と言う形に、攻守のトランジションがこの年代としては非常に高いことが共通する。

前評判どおりの力を見せ、決勝進出を果たした青森山田。

前評判どおりの力を見せ、決勝進出を果たした青森山田。(写真:Getty Images)


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青森山田は、FC東京加入が内定しているGK廣末陸を中心とした鉄壁の守備と正確なビルドアップをベースに、とにかく隙が少ない。イージーなミスと言うとボールロストをイメージしがちだが、攻勢をかける中でも後ろが守備のバランスを崩さないのが特徴的だ。早い時間帯に先制しても変にリズムを変えることなく、着実に試合を進めながらサイドの高い位置にチャンスの起点を作り、準決勝まで4試合連続得点中のMF高橋壱晟と、インターハイ得点王のエースFW鳴海彰人の“縦のホットライン”につなげる。

攻守のタレント力が高いだけでなく、彼らの能力をバランスよく生かしているところはさすがプレミアリーグWEST、さらにチャンピオンシップでJユースの猛者を退け、高校年代の王者に輝いたチームだ。前記の廣末、高橋、鳴海といった選手に注目は集まるが、ロングスローが話題になった2年生MF郷家友太は長身ながら技巧的で判断速度も高い。間違いなくプロ注目となる逸材だ。

東海大仰星(大阪)と佐野日大(栃木)は激戦区の県大会から接戦をモノにしてきた勝負強さが全国でも発揮された格好だが、ともに守備が堅く、中盤でのミスが少ないことが基盤となっている。加えて両校に共通するのは攻撃が失敗した直後に守備が整い、相手のカウンターを受けない強みがある。東海大仰星は準々決勝の東福岡戦で、まさにワンチャンスをものにして“金星”をあげたが、勝つためにその戦い方を選手たちが受け入れ、徹底して役割を全うしている。

佐野日大は5‐4‐1の布陣が話題になっているが、同じシステムでも時間帯によってSBの攻撃参加に変化を付けるなど、守備のベースは変えない中でも攻撃の判断を選手間でコントロールする戦い方が勝利につながっている。もともとのイメージは3バックだという。昨年6月のインターハイ予選で同県の強豪・矢板中央に0‐3と惨敗した後に取り入れた時は選手から少なからず反発もあった様だが、攻撃力や個の能力に勝る相手ばかりとなる選手権の舞台で勝ち上がるために、良い意味での“割り切り感”が芽生えている。

その中で特筆するべき存在がFWの野澤陸だ。長身で技術が高く、本人は「大迫勇也(現ケルン)選手をイメージしている」と語る様に複数のDFを背にしても粘り強くキープし、守備から攻撃に移る味方を押し上げさせている。準々決勝の前にはOBの小林成光(FC東京などで活躍)氏に上体だけでなく、臀部と太ももに力を入れてDFを押さえる技術を学んだというが、もともと中盤の選手でFWにコンバートして半年ほどという。3年生で大学への進学が決まっているが、伸びしろに期待したい存在だ。

前橋育英は言わずと知れた高校サッカーの名門だが、大会前の優勝候補ではなかった。夏のインターハイ予選でまさかの初戦敗退を喫したことが前評判を下げた大きな要因だが、2年生がレギュラーの半数を占めるチームを名将・山田耕介監督が地に足を付けて作り上げた成果が選手権で発揮されているようだ。4‐4‐2の3ラインをコンパクトに機能させ、効率的なハイプレスと素早いパスワークを継続させる。その戦い方には準々決勝まで3試合で13得点と猛威をふるっていた滝川第二(兵庫)も沈黙した。

興味深いのが渡邊泰基と後藤田亘輝の2年生SBコンビだ。CB顔負けの対人守備を誇り、いざマイボールになれば鋭い上がりから攻撃に迫力をもたらす。中央で高い統率力を示す松田陸、準々決勝は累積警告で出定停止となったものの、3回戦でCKから決勝点を叩き込んだ角田涼太朗の2年生バックラインは次の大会に向けても前橋育英の大きな強みになりそうだ。

準々決勝で敗れた駒沢大高(東京A)と正智深谷(埼玉)も勝ち上がりに相応しい好チームだった。駒沢大高はパワーとテクニックを兼ね備え、積極的なシュート意識が目に付いた。佐野日大から先制点を奪ったものの、終盤に逆転されたのは“甘さ”もあったかもしれないが、1年生DF齋藤我空など楽しみなタレントも目に付いた。正智深谷は優勝候補の青森山田に“力負け”した形だが、3点取られた終盤に1点をもぎ取るなど、最後まで諦めない姿勢は選手権らしい感動をもたらした。

大会もファイナルを残すところとなったが、ここまで冬空の下で熱い戦いを繰り広げてきたチームの頂点を目指す戦いに相応しい試合を期待したい。

出典:dotニュース

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