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2017「青森→下関=1521キロ・レース」72歳完走…八王子の高木さん
28日間1521キロ 最高齢で72歳の鉄人すごい!新記録を達成!
「青森―下関の1521キロ」を30日以内に走破する。そんなレースに72歳で挑み、制限時間(720時間)内に本州縦断に成功したお年寄りがいる。八王子市の高木薫さん。記録は28日間663時間5分で、これまで65歳だった完走者の最高齢記録も塗り替えた。
ぼろぼろになったシューズを手にする高木さん
レースはどれほどのものか想像もできなかった
■4月1日から10月1日までならいつスタートしてもよく、34か所のチェックポイントを通過しながらゴールする。交通規制もなければ、給水ポイントもない。宿も自分で予約する――。高木さんが挑んだのは、こんなレースだった。
■リュックサックに必要なものを詰めると重さは4キロになった。スマートフォンの充電器に財布。整腸剤や降圧剤も入れた。
■100キロのウルトラマラソンは経験がある。それでも、平均すると30日連続で50キロ以上を走らねばならないレースに「どれほどのものか想像もできない」と不安は大きかった。
■ ただ、友だちや家族に宣言してきてしまった。「リタイアするとかっこわるい」と思いながら5月13日未明、青森駅をスタートした。
今回のレース「挑戦できるとすれば年齢的に最後だ」と決意
・高木さんはタクシーやトラックの運転手として働いてきた。昼夜を問わない仕事で、運動らしい運動をほとんどしてこなかったため、定年前からウォーキングを始めた。
・現役時代のように道路を走り、流れる景色を見るのが好きなのか。スピードも距離も伸びていき、65歳でマラソンに初挑戦。「完走した時の達成感が忘れられなかった」と、取りつかれたかのように走り始めた。
・海外の大会やウルトラマラソンを含め、過去7年間で70以上の大会に出た。昨秋には腸閉塞の開腹手術を受けたが、退院から12日後、大阪マラソンを完走。「絶対だめ」と言っていた医者にはあきれられた。
・今回はたまたまレースの存在を知り、「挑戦できるとすれば年齢的に最後だ」と決意した。
・チェックポイントは、秋田、山形、新潟、富山……と日本海側の府県に設定されている。1週間で430キロ地点の新潟駅前に。さらに6日で730キロ地点の金沢・兼六園まで走った。
・歩道が狭いトンネルを走るときは恐怖さえ感じた。両足のマメも痛い。宿では自分で洗濯してから寝て、翌朝また走り始める。休むことなく毎日、10~12時間走り続けた。
・道中のことはフェースブックに書き込んでいった。疲れのあまり2日更新できなかった時には「死んだのでは」と心配された。それでも、マラソン仲間から届く励ましのコメントが背中を押してくれた。
・50キロ地点の京都府舞鶴市に来た辺りからは「どうかっこよくゴールするか」を考えながら足を動かした。
・そして28日目の6月9日、夕闇が迫る関門海峡を横目に眺めながら、ゴールの下関駅にたどり着いた。ただ、ゴールテープはなく、迎えてくれる人もおらず、「もう走らなくていいんだと思っただけで、あまり感動はなかった」という。
・履き続けたシューズの底は薄くなって穴が開いていた。しばらくは「燃え尽き症候群」に陥り、走る気力が起きなかった。
・このレースは今年で10回目だが、完走したのは9月14日時点でのべ20人。「自分でもすごいことをした」と思うようになり、最近、練習を再開した。年内にいくつかの大会に参加するつもりだという。
・高木さんは「こんな年になっても、やればできるんだと気づいた。元気なうちは挑戦を続けていきたい」と話している。
このレースは今年で10回目だが、完走したのは9月14日時点でのべ20人。「自分でもすごいことをした」と思うようになり、最近、練習を再開した。年内にいくつかの大会に参加するつもりだという。
ものすごい記録を達成した高木さん、すごいなと思いました。「こんな年になっても、やればできるんだと気づいた。元気なうちは挑戦を続けていきたい」といゆ言葉は本当に勇気づけられる思いです。挑戦者はだれしも不安をかかえながらも準備し、心の整理をして挑む。これは結果ではなく挑戦者の信念、哲学がなくして実行できるものではないと思います。
この記事を読んで、最高齢でエベレスト登頂に挑んだ三浦雄一郎氏のことが頭をよぎりました。80歳の三浦氏は登頂に成功したとき、「いくつになっても思い、夢はかなうもんなんだな、達成できるんだ」と酸素マスク外して言っていました。
登山とかマラソンレースとかされているアスリートは登り切ったとき、完走した時の達成感が忘れられないといいます。達成したときは自分に感動します。またいろんな人に勇気と感動を感じてもらうこともできます。
日々こつこつと積み上げてきた努力が報われることはすべての道に通じることだとあらためて教えてもらった気がします。
勇気と感動ありがとうございました。
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