青森で「短命県体験ツアー」東北で広がる地域に根ざした観光の形とは?

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東北の訪日インバウンド観光客も増加しており前年比約40%も伸びている。さてあおもりは。

2018年、訪日観光客数がついに3000万人を超えた。東京のバーで飲んでいても、外国人を見かける機会が増えたという実感がある。リピーターとなる訪日観光客が増え、彼らの新たな日本での旅先として、いわゆるメジャー観光地ではない地域にも外国人の興味が集まっている。

そんな流れを受けて、東北を訪れる訪日観光客も増加傾向にある。2018年上半期のデータによると、東北に宿泊した外国人宿泊者数は、前年比で40%に近い伸び率を記録した。しかし、それでも東北に足を伸ばす訪日観光客は、日本を訪れる人のわずか1%程だという。

旅行会社「たびすけ」経営者の西谷雷佐


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僕が出会う外国人観光客に話を聞くと、ひと昔前の彼らの行き先といえば、もっぱら京都、大阪、広島ばかりだったが、最近では松本や飛騨高山から富山、能登などのドラゴンルート(愛知県、岐阜県、富山県、石川県を南から北へと縦断する観光ルート。能登半島が龍の頭の形をしていることに由来)を巡る人も多いようだ。

そんな東北に、さらに訪日観光客を呼び込もうと活動している人がいる。青森県弘前市で旅行会社「たびすけ」を経営する西谷雷佐さんだ。西谷さんは、生まれも育ちも弘前。地元の高校を卒業後にアメリカへと留学し、現地の大学で産業心理学とスピーチコミュニケーションを学んだ。その後、日本に帰国して弘前の旅行会社に就職。そこで、弘前のりんご農家を海外への研修旅行に連れて行くというツアーを提案するなどして一躍成果を上げた。

外国人観光客が日本の観光地に求める主たる要素として、その土地ならではの食、文化、温泉というものがあるそうだ。東京や京都、その他の日本の地域にはない文化を持ち、さらに温泉にも恵まれる東北には、まだまだ外国人観光客数を伸ばすポテンシャルがあるのだ。

「短命県体験ツアー」を企画

「東北人は、京都の人たちとは違って、“自分たちが観光地に暮らしている”という意識が希薄なんです。だから、観光にも積極的に取り組もうとしていない。でも、東北の伝統的な暮らしのなかには、外からきた観光客に面白がってもらえるものが多いんです。ですから、観光地としての東北を盛り上げていくためには、“東北に暮らす人”の“東北ならではの暮らしぶり”が重要になると考えているんです」

実は、西谷さんの地元である青森県は、日本一の短命県として知られている。その原因として、1人あたりのアルコールの摂取量やインスタントラーメンの消費量、塩分摂取量が全国ランキングの上位だということがメディアで取り挙げられている。しかし、西谷さんはそれを逆手に取り、なんと「短命県体験ツアー〜青森県がお前をKILL〜」というツアーを企画した。

まずツアーは、午前中の酒蔵見学から始まる。朝から日本酒を飲み、お昼は青森名物の煮干しラーメンを汁まで完食。食後は津軽の伝統工芸「こぎん刺し」体験で神経をすり減らしたのち、夕方からは再び晩酌……といった感じで、青森県が短命県たる所以をあますところなく体験できるツアーとなっている。


地域の祭りにも全力で参加する。

なんといってもネーミングにインパクトがあるし、良くも悪くも青森県ならではの暮らしぶりを活かしたこのツアーは大きな話題を呼んだ。他にも、西谷さんが企画するツアーには「津軽石拾い」「雪かき体験ツアー」「りんごの剪定ツアー」「歌碑を巡って津軽海峡冬景色を歌うツアー」など、青森県だからこそ企画可能なものが多い。

これらのツアーに共通しているのは、「青森の人々の暮らしのなかに、元々あるものを活かしている」ということだ。西谷さんは、こう続ける。

「観光客を呼び寄せるために、わざわざイベントや施設をつくる必要はないんです。持続的に観光業を発展させていくためには、新しく何かをつくって“観光地”をつくるのではなく、青森に暮らす人や、いまあるものを活かして、地域に根ざした“観光地域”をつくっていくことが、今後求められると思うんです」

昨年末、西谷さんの案内で弘前を旅したが、まさにそれは地域に根ざした、人々のあたたかさに触れる旅だった。

昼食では「津軽あかつきの会」を訪れたが、正直言って、知っている料理がひとつもなかった。お膳にのって運ばれた10品以上の料理のすべてが、弘前の農家で受け継がれてきた津軽の伝承料理だったからだ。農家のお母さんたちの津軽弁を聞きながら、弘前ならではの保存食を使った料理を味わえば、「ここでしかできない体験をしたい」という旅人の欲求が、これ以上なく満たされる。

他にも、「弘前シードル工房kimori」で、当地のりんご産業の歴史や現状を学びながらシードルを飲んだり、弘前中央食品市場にある山田商店で名物の大学芋をかじりながら店主の話に付き合ったり、西谷さんが扮する「弘前路地裏探偵団」に夜の弘前の街を案内してもらったりすると、初めて訪れた土地であるにも関わらず、どうしても弘前の街や人に親近感を感じてきてしまう。

観光は地域づくりと人づくり

「あの人に会いたいから旅をするというのは、旅に出るすごく綺麗な理由だと思うんです。知っている人がいたら、またその街に行きたくなるじゃないですか。だから観光とは、地域づくりと人づくりなんです」

世に観光名所はあまたあれど、そのような場所には、一度行けば満足してしまうところも多い。しかし、「あの人に会いに行く」となれば、それこそ1年に1回くらいは足を運ばなければという使命感にかられたりもする。結局、観光地にとっていちばんのキラーコンテンツとなるのは、そこにある顔、そこに暮らす人々そのものなのだろう。

西谷さんはいま、活動の拠点を弘前から仙台に移している。地域に根ざした観光の輪を、青森から東北全域に広げるためだ。

「青森だけに来る観光客って、あまりいないじゃないですか。東京から新幹線で来るにしても、仙台だったり岩手だったり、東北の他の地域を通って青森に来るわけですから。そうなると、東北全体で観光地域づくりや人づくりを進めて行かなければならないのです。」

2016年、西谷さんは東北で活動する仲間たちと「東北インアウトバウンド連合」を立ち上げ、現在は理事長を務めている。東北ならではの「人」と「暮らしぶり」を活かした取り組みの数々は、今後ますます世界中の旅行者の注目を集めていきそうである。


「東北インアウトバウンド連合」スタッフ一同

出典:Forbes Japan

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