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青森・古代ロマン縄文「人面付き土器」を復元!弘前大・北日本考古学研究センター初公開!
弘前大の北日本考古学研究センターは、五所川原市市浦の五月女萢(そとめやち)遺跡で全国でも珍しい「人面付き土器」の復元に成功した。10月8日から同センター展示室(弘前市文京町)で開かれる「大五月女萢展」で初公開する。
★展示は11月13日までで時間は午前10時~午後4時。期間中は無休。
★このほか、日本考古学協会の大会初日の15日午後1時からは、一般公開の講演会も開催する。
同センターが2010年から3年かけ、五所川原市教委と共同で約3ヘクタールを発掘し、縄文時代後期〜晩期(約3500年〜約2500年前)を中心とした多数の墓抗や人骨4体分、数千点の土器、石器などを発見。東北から北海道渡島半島にかけて栄えた「亀ケ岡文化」の遺跡と分かった。亀ケ岡は現在のつがる市に位置し、19世紀に見つかった世界的に有名な「遮光器土偶」で知られる。五月女萢遺跡は亀ケ岡の約20キロ北。
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今回の発掘で特に注目されたのが、貝殻や獣骨などの捨て場から12年に発見された人面付き土器。浅鉢の底に顔が表現され、下半部(幅12センチ、高さ7センチ)だけが出土した。同センターで調査を続けたところ、この8月に顔の左上部が見つかり、全体像の復元に成功した。顔は直径11センチの円形で、両耳を含めた横幅は13センチあった。
同センター長の関根達人教授は「遮光器のような大きな楕円(だえん)形の目を持ち、鼻や口元の表現が立体的。土器の底面に顔が描かれるのは例がない」と話し、亀ケ岡遺跡から出土し、国の重要文化財に指定されている土製仮面(東京国立博物館所蔵)よりも「造形美で優れている」と評する。
人面付き土器は自立せず人が手で支える。「祭儀などで参列者が何かを回し飲みし、飲み干す時、ちょうど仮面をかぶった形になる祭器では」と関根教授は見ている。
大五月女萢展は出土品の土器、石器、イノシシやシカなどの骨格器など計約570点を展示。11月13日まで。午前10時〜午後4時。入場無料。本県で30年ぶりに弘前大で開催される日本考古学協会弘前大会(15〜17日)に会わせ、企画された。